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法律相談Q&A

借りているマンションの貸主が破産して破産手続きの通知が来ました。敷金は戻りますか?

賃貸人が破産した場合の取り扱いですが、賃料支払債務を負担している賃借人は債務不履行とならないために、賃料を支払わざるを得ません。
しかし、それでは将来の敷金返還請求権を有している賃借人に酷ですから、支払に際し、賃料の寄託請求を破産管財人にすることができます(破産法70条)。 なお、敷金返還請求権を失わないため、賃借人は別途敷金返還請求権につき、破産債権の届け出をしておく必要があります。
賃借人が寄託請求をすると、破産管財人は、返還義務を負う敷金の範囲内で賃料を寄託します。寄託された金額は、破産手続きの最後配当の除斥期 間内までに賃貸借契約が終了し、賃借人が立ち退いて敷金返還請求権が現実化したとき、賃借人が支払うべき債務と相殺されて残額が賃借人に返還されます。これに対し、最後配当の除斥期間内までに賃貸借契約が終了せず、したがって敷金返還請求権が現実化しない場合には、破産事件における債権者に配当されてしまいます(破産法201条2項)。
以上からすると、賃貸人が破産した場合で、敷金返還請求権が比較的多額の場合には、契約に期間内解約条項がある場合に限りますが、その定めに従い、賃借人側から賃貸借契約を解約して敷金の返還を受けておくという方法も考えられます。