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法律相談Q&A

1 離婚をする際の手続きの概略を教えて下さい。
2 離婚に伴い法律上問題となる事項について教えて下さい。

1.について
まず、離婚の手続きには、(1)協議離婚、(2)調停離婚、(3)審判離婚、(4)裁判離婚があります。
(1)協議離婚は、夫婦双方の離婚の合意により離婚届を市町村役場や区役所に提出してする離婚のことをいいます。
(2)調停離婚は、夫婦間で離婚の合意ができない場合や、離婚の合意はできても離婚に伴う条件(養育費や財産分与など)について合意ができない場合に、家庭裁判所における調停委員の関与の下に行う離婚のことをいいます。
(3)審判離婚は、調停に付されている離婚事件について調停成立の見込みがないが、なお審判が相当であるとされる場合に、家庭裁判所の判断で行われる離婚のことをいいます。もっとも、審判離婚の成立数は全国で1年間に50件程度に止まっております。 
(4)裁判離婚は、調停離婚が成立しなかったときに、離婚を請求する側が他方の配偶者を被告として家庭裁判所に離婚の訴えを提起することによってする離婚 のことをいいます。裁判離婚は、ⅰ配偶者に不貞行為があること、ⅱ配偶者から悪意で遺棄(正当な理由なく同居義務・扶助義務等を履行しないこと)されるこ と、ⅲ配偶者の生死が3年以上明らかでないこと、ⅳ配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないこと、ⅴその他婚姻を継続し難い重大な事由(暴行・ 虐待、勤労意欲の欠如・浪費、性的異常など)があることのいずれかを満たさなければ認められませんし、たとえこれらの事由が認められても、裁判所の判断に より離婚が認められない場合もあります。なお、調停前置主義により、調停手続を経ていない訴えの提起は原則として認められていません。
2.について
離婚に伴い法律上問題となる事項としては、夫婦間の法律関係として、(1)婚姻費用の分担、(2)離婚給付(財産分与、慰謝料、年金分割)(3)戸籍・氏が、親子間の法律関係として、(4)親権、(5)養育費、(6)戸籍・氏などがあります。
(1)婚姻費用とは、夫婦と未成熟子によって構成される婚姻家族が、その資産・収入、社会的地位に応じた通常の社会生活を維持するのに必要な費用であり、 夫婦が互いに分担するものとされています。夫婦が別居している場合に、一方から他方への生活費の支払として問題となります。
(2)離婚給付のうち、財産分与は、夫婦の夫婦財産を清算分配し、かつ離婚後における一方の当事者の生計の維持を図ることを主な目的としたものであり、慰 謝料は、相手方の有責行為によって離婚に至った場合に、これによって被る精神的苦痛を賠償するものです。財産分与と慰謝料は別個の制度ですので、財産分与 後に慰謝料請求をすることもできますが、財産分与について慰謝料の要素をも含めて定めることもできます。
また、近時、離婚時に厚生年金・共済年金について分割を可能とする離婚時年金分割制度も創設されました。
(3)婚姻によって氏を変更した配偶者は、離婚により、原則として、婚姻中の戸籍から除かれ、婚姻前の氏に戻りますが、例外的に、戸籍については、離婚の 届出と同時に届け出ることにより新戸籍を編成することができ、氏については、離婚の日から3か月以内に届け出ることにより離婚の際に称していた氏を称する ことができます。
(4)親権の内容としては、身上監護権(未成年子を身体的に監護・保護する権限や、身分行為についての代理権などが含まれます。)と財産管理権があり、父母が離婚する場合、いずれか一方を親権者と定めなければなりません。
したがって、協議離婚をする場合には離婚届に親権者を記載しないとそもそも離婚届自体受理されませんし、裁判離婚の場合には、裁判所が父母のいずれか一方を親権者と定めることになります。
なお、親権者とは別に、親権の内容の一部である身上監護権(未成年子を身体的に監護・保護する権限のみに限ります。)のみを行使する監護権者を定めること もできます。この場合、親権者は身上監護をすることはできず、それ以外の財産管理権や身分行為についての代理権のみを行使することとなります。
(5)養育費とは、未成熟子が独立の社会人として成長自立するまでに要する全ての費用、つまり衣食住の費用、教育費、医療費、適度の娯楽費などをいい、親 権の有無にかかわらず、親はこれを支払うべき義務があります。養育費は、原則として成年に達する時期まで支払うこととなりますが、子の就職・進学状況、親 の資力、学歴、その他家庭環境を考慮して延長または短縮されることがあります。
養育費については、協議離婚をする場合、まずは夫婦間の協議で決定することとなりますが、協議が整わない場合は、調停を申し立てることとなり、裁判離婚をする場合には、離婚訴訟の付帯処分として申し立てることとなります。
なお、養育費の算定については、実務上、東京・大阪養育費等研究会の発表した算定表が広く参考とされています。
(http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou.html)
(6)子の戸籍・氏については、両親が離婚するに至っても、それだけで子の氏は変更されず、子は親の離婚後も婚姻中の戸籍筆頭者の戸籍に残ったままとなり ます。例えば、夫の氏を名乗っている場合は、夫が戸籍の筆頭者で、離婚により妻が子を引き取っても子の氏は元夫のままとなります。両親の離婚後、親の一方 の氏を称し、その戸籍に移りたい場合には、子本人または子が15歳未満の時には親権者が家庭裁判所に子の氏の変更許可申立をすることとなります。
以上に述べた離婚に伴う法律上の問題点は、あくまで実務上よく問題となる事項について大まかに説明したものであり、具体的事案により扱いも異なり、また以上の他にも様々な法律上の問題点が生じ得ますので、まずは当事務所までご相談ください。