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法律相談Q&A

テレビ会議方式による取締役会は可能でしょうか?

1.テレビ会議方式による取締役会の開催について、会社法にはこれを規制する規定はなく、会社法施行規則において、取締役会議事録に「取締役会が開催された日 時及び場所(当該場所に存しない取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人又は株主が取締役会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。)」の 記載が必要となる旨の規定(会社法施行規則101条3項1号)が置かれているのみです。
2. この点、法務省民事局は、テレビ会議の方法による取締役会について、「取締役間の協議と意見交換が自由にでき、相手方の反応がよく分かるようになっている 場合、すなわち、各取締役の音声と画像が即時に他の取締役に伝わり、適時適格な意見表明が互いに出来る仕組みになっていれば、テレビを利用して取締役会を 開くことも可能である。」(平成8年4月19日法務省規制緩和等に関する意見・要望のうち、現行制度・運用を維持するものの理由等の公表について)との見 解を示していますので、これを遵守する限りテレビ会議システムによる取締役会の開催は可能です。
なお、電話会議の方法による取締役会について、「電話会議の方法による…取締役会の議事録は、出席取締役が一堂に会するのと同等の相互に充分な議論を行う ことができる会議の議事録として、適式な取締役会議事録と認められる」(平成14年12月18日民商3044号民事局商事課長回答)との見解も示されています。
以上を踏まえると、常に全取締役の姿がテレビ画面上に映写されるのであれば、相手方の反応がよく分かるといえ、また、発言したいときに自由に発言ができるようマイクが準備されていれば、取締役間の協議と意見交換が自由にできるものといえ、問題はありません。
次に、資料等の説明の際に取締役の姿がテレビ画面上に映写されない場合には、相手方の反応がよく分かるものとはいえず、要件を満たさないのではないかが問題となります。
この点、全く相手方の反応を見ることができない電話会議方式による場合でも、相互に十分な議論を行うことができるものであれば、適式な取締役会と認められるのですから、相手の反応がよく分かるとの要件は必ずしも重要なものではなく、むしろ、取締役間の協議と意見交換が自由にできるという要件こそが重要であるものと考えられます。
したがって、取締役間の協議と意見交換が自由にできると認められるような方式の場合、具体的には、ある取締役の発言が即時に他の取締役に伝わり、これを受けて他の取締役が即時に発言できるなどの音声的な設備が整っているのであれば、たとえ各取締役の姿が常にテレビ画面上に映写されない場合でも、適式な取締 役会として認められるものと考えられます。ただ、取締役らが資料等の説明をしている際にも、資料の映写と取締役らの映写を適宜切り替える措置を講じること ができれば、より望ましいものといえます。
また、マイクの設置方法ですが、各取締役が発言したい時に自由に発言ができるというものであれば、必ずしも1人1つずつマイクを準備する必要はなく、長机 1つにマイクを1つ設置し、そこに取締役2名が着席するという方式でも問題はないものと考えられます。
ただ、マイクをONにしないと他の本店支店に発言内容が伝わらないとの点については、各取締役が自らスイッチ操作するだけで発言が他の本店支店に伝達できるのであれば問題ありませんが、各取締役のスイッチ操作のみならず、本店の事務局による音声切替の操作等が必要となるのであれば、発言したい時に自由に発 言ができるものとはいえず、適式な取締役会の開催とは認められない可能性もありうると考えられます。