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法律相談Q&A

会社が購入した機械に不良があった場合、どのような手段を採ることができますか?

会社が購入した機械に不良があった場合、メーカーに対し、(1)製造物責任法3条に基づく損害賠償請求や(2)不法行為に基づく損害賠償請求(民法709 条)を、販売会社に対し、(3)債務不履行に基づく損害賠償請求(民法415条)や(4)瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求(民法570条)をすることが 考えられます。それぞれの請求に必要な要件は以下のとおりとなります。
•  1 製造物責任法3条に基づく損害賠償請求
(1) 要件
1 相手方が製造業者等であること
・「製造業者」とは、ⅰ当該製造物を業として(=同種の行為を反復継続して行うこと)製造、加工又は輸入した者、ⅱ自ら当該製造物の製造業者として当該製 造物にその氏名、商号、商標その他の表示をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者、ⅲ当該製造物の製造、加工、輸入 又は販売に係る形態その他の事情からみて、当該製造物にその実質的な製造業者と認めることができる氏名等を表示した者をいいます。
2 相手方が製造、加工、輸入又は氏名等の表示をし、引渡した製造物に欠陥があったこと
・「製造物」とは、製造又は加工された動産をいいます。
・「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいいます。
3 製造物の欠陥により他人の生命、身体又は財産が侵害されたこと
4 損害の発生及び額
5 要件③と④との因果関係
(2) 備考
・契約関係がない場合にも主張できます。
・損害が当該製造物自体にしか生じなかった場合には、上記法律構成はできず、別の法律構成によらなければなりません。
・被害者が損害及び賠償義務者を知った時から3年、製造業者等が当該製造物を引き渡した時から10年経過した場合には損害賠償請求権は時効により消滅します。
・相手方が開発危険の抗弁(当該製造物の引渡し時における科学又は技術に関する知見によっては、当該製造物にその欠陥があることを認識することができな かったとの主張。)、部品製造業者の抗弁(当該製造物が他の製造物の部品又は原材料として使用された場合において、その欠陥が専ら当該他の製造物の製造業 者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じ、かつ、その欠陥が生じたことにつき過失がないとの主張。)を主張することにより、責任を免れる余地が あります。
•  2 不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)
(1) 要件
1 権利又は法律上保護される利益の存在 2 要件1に対する加害行為 3 要件2についての故意又は過失
4 損害の発生及び額 5 要件2と4との因果関係
(2) 備考
・製造物責任法3条の要件を満たさない場合に問題となります。
・契約関係がない場合にも主張できます。
・一般的に、「過失」の立証は「欠陥」の立証に比べ難しくなります。
・被害者が損害及び加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年経過した場合には損害賠償請求権は時効により消滅します。
•  3 債務不履行に基づく損害賠償請求(民法415条)
(1) 要件
1 債務が発生したこと
2 債務不履行の事実(履行が不完全であること等)があること
3 損害の発生及び額
4 要件2と4の因果関係
(2) 備考
・契約関係がなければ主張できません。
・相手方に帰責性が不存在であることの立証責任があり、請求者側に「欠陥」、「過失」の立証責任がある製造物責任法3条に基づく損害賠償請求、不法行為に基づく損害賠償請求に比べ、一般に立証責任の点で有利となります。
・本来の債務の履行を請求し得る時から10年間行使しないときには、損害賠償請求権は時効により消滅します。
•  4 瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求(民法570条)
(1) 要件
1 特定物(当事者が取引上個性に着目した物)を目的とする売買契約の成立
2 売買の目的物に隠れた瑕疵があること
・「隠れた」とは、取引上要求される一般的な注意では発見できないことをいいます。
・「瑕疵」とは、その性質・形状・効用などが約定された通常備えるべき性質を有しないことをいいます。
3 損害の発生及び額
(2) 備考
・契約関係がなければ主張できません。
・大量生産・販売される不特定物については適用がありません。
・商人間の売買の場合、買主に検査通知義務があり、損害賠償請求が制限される場合があります(商法526条)。
・買主が目的物の瑕疵を知ってから1年以内に請求しなければなりません。