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法律相談Q&A

抵当権の登記の前に税金の差押登記が、さらに抵当権の登記の後に税金の参加差押登記がされている場合、先後関係はどうなるのでしょうか?

国税徴収法26条の規定により、まず、(1)抵当権設定の登記と国税及び地方税の法定納期限の古い順に従っ て、国税及び地方税に充てる総額と私債権に充てる総額とを定め(同条2号)、(2)同法12条から14条の規定により、国税及び地方税に充てる総額の中か ら国税、地方税それぞれに充てる金額を定め(同条3号)、(3)私債権に充てる総額を民法等の規定によりそれぞれの私債権に準じ充てる(同条4号)ことに なります。
具体例として、競売の換価代金が1700万円となった土地につき、納付期限が平成20年11月1日の国税(400万円)の差押登記が、次いで同年10月1 日に被担保債権1000万円の抵当権設定登記が、納付期限が同年9月1日の地方税(600万円)の参加差押(交付要求の一種)登記がなされていたとしま しょう。
I 国税徴収法26条2号の規定により、抵当権設定の登記、国税及び地方税の法定納期限の古い順に従い、地方税に 600万円、抵当権の被担保債権に1000万円、国税に100万円充てることとなり、私債権にあてるべき金額の総額は1000万円、国税及び地方税に充て るべき金額の総額は700万円となります。
II 同法26条3号の規定により、国税及び地方税に充てるべき金額の総額700万円は、法12条(差押先着手による国税の優先)の規定により、国税に400万円を充て、地方税に残額の300万円を充てます。
III 同法26条4号の規定により、抵当権の被担保債権に1000万円充てます。
(参照条文)
(国税及び地方税等と私債権との競合の調整)
第二十六条  強制換価手続において国税が他の国税、地方税又は公課(以下この条において「地方税等」という。)及びその他の債権(以下この条において「私債権」とい う。)と競合する場合において、この章又は地方税法 その他の法律の規定により、国税が地方税等に先だち、私債権がその地方税等におくれ、かつ、当該国税に先だつとき、又は国税が地方税等におくれ、私債権が その地方税等に先だち、かつ、当該国税におくれるときは、換価代金の配当については、次に定めるところによる。
一 第九条(強制換価手続の費用の優先)若しくは第十条(直接の滞納処分費の優先)に規定する費用若しくは滞納処分費、第十一条(強制換価の場合の消費税 等の優先)に規定する国税(地方税法 の規定によりこれに相当する優先権を有する地方税を含む。)、第二十一条(留置権の優先)の規定の適用を受ける債権、第五十九条第三項若しくは第四項(前 払賃料の優先)(第七十一条第四項(自動車等についての準用規定)において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける債権又は第十九条(不動産保存の先 取特権等の優先)の規定の適用を受ける債権があるときは、これらの順序に従い、それぞれこれらに充てる。
二 国税及び地方税等並びに私債権(前号の規定の適用を受けるものを除く。)につき、法定納期限等(地方税又は公課のこれに相当する納期限等を含む。)又 は設定、登記、譲渡若しくは成立の時期の古いものからそれぞれ順次にこの章又は地方税法 その他の法律の規定を適用して国税及び地方税等並びに私債権に充てるべき金額の総額をそれぞれ定める。
三 前号の規定により定めた国税及び地方税等に充てるべき金額の総額を第八条(国税優先の原則)若しくは第十二条から第十四条まで(差押先着手による国税の優先等)の規定又は地方税法 その他の法律のこれらに相当する規定により、順次国税及び地方税等に充てる。
四  第二号の規定により定めた私債権に充てるべき金額の総額を民法 (明治二十九年法律第八十九号)その他の法律の規定により順次私債権に充てる。
(差押先着手による国税の優先)
第十二条  納税者の財産につき国税の滞納処分による差押をした場合において、他の国税又は地方税の交付要求があつたときは、その差押に係る国税は、その換価代金につき、その交付要求に係る他の国税又は地方税に先だって徴収する。
2  納税者の財産につき国税又は地方税の滞納処分による差押があつた場合において、国税の交付要求をしたときは、その交付要求に係る国税は、その換価代金に つき、その差押に係る国税又は地方税(第九条(強制換価手続の費用の優先)の規定の適用を受ける費用を除く。)に次いで徴収する。
(交付要求先着手による国税の優先)
第十三条  納税者の財産につき強制換価手続(破産手続を除く。)が行われた場合において、国税及び地方税の交付要求があつたときは、その換価代金につき、先にされた交付要求に係る国税は、後にされた交付要求に係る国税又は地方税に先だって徴収し、後にされた交付要求に係る国税は、先にされた交付要求に係る国税又は 地方税に次いで徴収する。
(担保を徴した国税の優先)
第十四条  国税につき徴した担保財産があるときは、前二条の規定にかかわらず、その国税は、その換価代金につき他の国税及び地方税に先だって徴収する。
(法定納期限等以前に設定された抵当権の優先)
第十六条  納税者が国税の法定納期限等以前にその財産上に抵当権を設定しているときは、その国税は、その換価代金につき、その抵当権により担保される債権に次いで徴収する。