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法律相談Q&A

債権差押命令が送達された後、支払前に、仮差押命令が送達されてきた場合について教えてください。

第1 差押債権額と仮差押債権額の合計が被差押債権額を超えている場合
1.
第三債務者は、被差押債権全額に相当する金銭につき、被差押債権の債務の履行地を管轄する法務局に供託しなければなりません(義務供託、民事執行法第156条第2項、民事保全法第50条第5項)。供託書は、供託所に備付けのOCR用供託書を用いるのが一般的です。
2.
上記供託後、(1)事件の表示、(2)差押債権者及び債務者の氏名又は名称(3)供託の事由及び供託した金額を記載した書面に供託書正本を添付して被差押 債権の執行裁判所(債権差押命令を発した裁判所)に届け出なければなりません(事情届、民事執行規則第138条)。事情届は、通常、債権差押命令の第三債 務者に対する送達の際、注意書と共に同封される扱いになっております。
3.
供託するには交通費その他の費用がかかります。この費用は、被差押債権の債権者が自己の債務を履行せず債権差押え及び債権仮差押えを受けたために発生した 費用ですから、被差押債権の債権者の行為によって増加した弁済費用として、その増加額は被差押債権の債権者が負担すべきものです(民法第485条但書)。
したがいまして、第三債務者は、上記供託に要する費用として法令上認められた費用について一定の算定基準に基づいて算出された額を上記執行裁判所に請求することができます(民事訴訟費用等に関する法律第28条の2第1項)。ただし、この請求は事情届を提出するまでに請求しなければならないことに注意する必 要があります(同条の2第2項)。
なお、供託するに際しては、予め上記費用を控除して供託することはできません。上記費用については、手続費用と認められる範囲について、供託により形成された配当財団から支払を受けることになります。
第2 差押債権額と仮差押債権額の合計額が被差押債権額を超えない場合
1.
この場合、上記供託をする義務はありませんが、供託する権利はあります(権利供託、民事執行法第156条第1項、民事保全法第50条第5項)。
2.
供託する場合の手続きは、第1と同様になります。ただし、供託する義務がない場合ですので、供託に要する費用の請求はできません。