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法律相談Q&A

弊社では業務の繁閑にバラつきがあり、忙しい時期は常に法定労働時間を超えてしまうのですが、常に時間外労働として割増賃金を支払わなければならないのでしょうか?

変形労働時間制を導入すれば、一定の範囲で、1日8時間、1週間40時間という法定労働時間(労働基準法32条)を超えて労働させても、割増賃金の支払いが不要になります。
具体的には、御社の業務の繁閑状況にあわせて、1ヶ月単位・1年単位・1週間単位の変形労働時間制の中から、単位期間内の所定労働時間を平均して1週間に40時間を超えないものを選択して導入することができます。
まず、毎月末のみ多忙という場合には、1ヶ月単位のもの(同法32条の2)が適切です。就業規則その他これに準ずるもの又は労使協定にて定め、これを労働 基準監督署に届出することにより導入できます。その際、単位期間、その起算日、各週・各日の労働日・労働時間等を予め特定することが必要です。ただし、就 業規則等で労働日・労働時間を予め特定することができないときには、就業規則等では基本事項(始業終業時刻、勤務の組み合わせ方、勤務割表の作成・周知方 法など)のみを定め、単位期間開始前までに勤務割表により具体的に特定・周知する方法も可能です(昭和63年3月14日基発第150号)。
次に、年末や年度末のみ多忙という場合には、1年単位のもの(同法32条の4)が適切です。労使協定及び就業規則にて定め、これらを労基署に届出すること により導入できます。その際、適用労働者の範囲、対象期間、労働日・労働時間、有効期間等を予め特定することが必要です。ただし、労働日・労働時間につき 対象区間を1ヶ月以上に区分し、就業規則等では基本事項のみを定めた上、区分期間開始の30日前までに勤務割表等により特定・周知する方法も可能です。な お、1年単位のものについては、労働日数は原則280日以内、連続労働日数は原則6日以下、労働時間は1日10時間以内、1週52時間以内など、同法施行 規則による特別の制限に注意しなければなりません。
最後に、1週間単位のもの(同法32条の5)ですが、御社が「小売業、旅館、料理店、飲食店であって常時30人未満の労働者を使用するもの」(同規則12 条の5)である場合に限り、週所定労働時間数を示して労使協定を締結し、これを労基署に届出することにより導入できます。その上で、労働者に対して1週間 の各日の労働時間を予め書面により通知することで、1日につき10時間まで割増賃金の支払いなく労働させることができます。なお、変形労働時間制を導入したからといって、労基法の定める割増賃金支払義務が免除されるわけではありません。変形労働時間制は、業務の繁閑に併せて単 位期間における法定労働時間の弾力的な配分を可能にするのみであり、実労働時間が一定の範囲を超えれば、その超えた部分は時間外労働として割増賃金の支払 対象となります。