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法律相談Q&A

重層下請工事で3次下請負会社が倒産した場合について教えてください。
(1)4次下請負会社は、特定建設業の許可を受けた元請会社に対し、未払の下請負代金を請求できますか?
(2)4次下請負会社の従業員は、同元請会社に対し、未払賃金の支払を請求できますか?

(1)について
4次下請負会社と元請会社との間には直接の契約関係がありませんので、契約に基づく代金請求はできません。また、民法ないし建設業法にも代金請求を根拠づける規定はありませんので、法律に基づく代金請求もできません。
ただし、元請会社は、国土交通大臣又は都道府県知事から、未払い下請負代金について、適正と認められる金額の立替払その他適切な措置を講ずることの勧告を 受ける可能性があります(建設業法41条第3項)。なぜなら、同条項における「他の建設業を営む者」には2次下請負人以下の者も含まれ、「損害」には下請 負代金の支払遅滞による損害も含まれると解されているからです。
もっとも、上記勧告はあくまでも勧告であって、元請会社の自由な意思に基づく救済を期待するものに過ぎず、法的な強制力は伴わないと考えられています。
(2)について
4次下請負会社の従業員は、(1)と同様の理由で、契約ないし法律に基づく未払賃金の支払請求はできません。
ただし、元請会社は、国土交通大臣又は都道府県知事から、当該建設工事における労働の対価として適正と認められる賃金相当額の立替払その他適切な措置を講ずることの勧告を受ける可能性があります(建設業法41条第2項)。
もっとも、上記勧告が法的な強制力を伴わないと考えられている点は(1)と同様です。
なお、未払賃金の消滅時効は2年とされておりますので(労働基準法115条)、まずは未払賃金が消滅時効にかかっているかどうか調査することが必要でしょう。